父親のコメント(H26.1.14)

遺族コメント

今回の判決は,原告の主張を全面的に認めたものであり,いじめに関するアンケートの開示を後押しする画期的な判決だと評価しています。この判決は,全国で問題となっている「いじめアンケートの隠蔽」に対し警鐘を鳴らすものになると確信しています。

私が遺族の「知る権利」に基づき,息子の自殺の原因を調査しようとしたことについては,アンケートの利用を全面的に禁止する確約書を提出させたことは調査を不可能にするものであるとして,その違法性を明確に認定しました。

知る権利に基づき,自殺の原因を知りたい,調査したいと願うのは遺族として当然のことです。自殺の原因を調査することを阻む確約書やアンケートの隠蔽は違法であるという司法判断は,「知る権利」の確立にとって大きな第一歩となるものだと考えています。

私が知る権利に基づいて行った調査について,アンケートは必要不可欠な資料でした。そのアンケートの利用を一切禁止するよう確約させることは違法であり,知る権利の実質的な侵害であると,本件判決は間接的な表現ながら,今までにない一歩踏み込んだ司法判断を示したものであるといえます。

さらに,加害生徒や関係者のプライバシーを理由とするアンケートの全面的非開示についても,本件判決は強い警鐘を鳴らすものとなりました。全国的にもプライバシーを理由とするアンケート隠しが横行し,問題となっていますが,本件判決は,自治体による非開示の範囲については,これを「限定すべき注意義務」という表現で明確に認めました。これも,「知る権利」の尊重を強く求める,裁判所のメッセージだと言えます。全国の自治体や教育委員会は,プライバシーを理由とする非公開の範囲を拡大し,いじめの調査を条例の違法不当な解釈によって阻んできました。しかし,今後,二度とそのようなプライバシーを理由とする違法不当なアンケート隠しをしてはならないという司法判断を重く受け止め,いじめアンケートの積極的な開示を進めてもらいたいと強く願います。


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