記者会見(H25.1.31)

記者会見

この度私の息子の自殺事件に関して、昨年8月25日より約5か月にわたる調査を終えて、本日第3者調査委員会・並びに越市長より調査報告書を受け取ることが出来ました。


息子が亡くなってから10か月以上の時間経過してからの調査であり、夏の暑い時期から長期間にわたり、本来のお仕事の時間を割いて私どもの息子の調査に携わっていただき改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。


そして私どもの希望を全て反映した形でこの第3者調査委員会を組織していただいた越市長を始めとする大津市役所の方々。滋賀県警の調査にもご協力頂きながら、この第3者調査委員会の調査にも進んでご協力いただきました同級生の方々と保護者の方々に対して、この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

今回ここまでたどり着くことが出来たのは、中学校の生徒さん達が書いてくれたアンケートのおかげです。息子は本当に喜んでいると思います。そして皆さんに天国から今「同級生の人達に助けてもらった。ありがと」と言っていると思います。


口を利くこと出来なくなった息子と、日本全国で今現在もいじめに苦しんでいる子供、そして息子と同じように死を選んでしまった子供達に代わって本当に必死に、そして丁寧に調査をして頂いたと感じております。


先程委員の先生方から説明を受けながら調査報告書を読ませて頂きました。

率直な感想といたしましては、「やはり息子は学校に見殺しにされたのだ。」ということです。

滋賀県警で押収された資料を初めて目にした時、子供からはいくつものサインが出されていた事を知りました。しかしそれに対して現場の先生方は気付かなかった?

気付いていたが問題視しなかった?

気付いていたが見て見ぬふりをしていた?

恐らくどれも当てはまると先生方はおっしゃられると思いますが、私は見て見ぬふりをしていたとしか取れません。

息子から発せられていたいくつものサインにどうして気付いてくれなかったのか?どうして私達親に伝えてくれなかったのか?


ここ数日来、息子が亡くなる直前の事を思い返していました。

なぜ学校に相談に行った時に息子の周りに起きている情報を伝えてくれなかったのか?

些細な情報でもいい、少しでもそれらが聞けていれば息子を助けることが出来たのでは無いのか?

担任の森山教諭は私に言いました。「過去にいじめに遭ったことが有る」と。

であれば尚更息子の置かれていた状況はご自身の過去の体験から想像で出来ることは明白だったはず。 なのにどうして息子を助けてくれなかったのか?

子供の命を預かっているといった意識が全く欠けているのではと思わざるを得ない。


息子が亡くなってから本日までの学校・教育委員会の対応を振り返って感じることは、

常に後手後手の対応であり、自らを律するといった姿勢は全く感じなかった。

「家庭の問題に原因が有る」とマスコミに公言されても、「学校に問題が有った」として今回出てきたような学校内での教師の対応の不手際について遺族が知る前に自ら報告をしていただく事は無かった。

事実がマスコミ等から明らかにされてからそれを釈明していく姿しか見せてもらえなかったというのが実感です。

これが今の学校・教育現場の現状であることが分りました。


ここ数日来問題となっている体罰問題についても同様です。学校で意図的に隠蔽されれば、保護者は何が学校で起きているのか知る由が無い。組織的に隠されれば、その市の首長・議員の方でも学校内の情報を手に入れることが出来ない。自ら公言してくれなければ事実が明らかにされることは無い。全く見えない。それが学校現場の現状なのです。

「隠蔽さえしていれば学校側が問題視されることは無い」、これが学校現場での定石なのです。

今回滋賀県警や第3者調査委員会にここまでして頂いている大津のケースはとても稀なのです。

学校・教育委員会についての可視化は、今後絶対に必要なことだと考えます。


本日手渡された報告書は200ページにもわたります。委員会の先生方が、大津だけの問題としてではなく、日本全国の学校現場に対して提言をし、今の教育現場を改善していきたいのだという強い思いが込められた報告書だと思います。

ここに書かれている提言については、学校関係者を始め、教育委員会、各行政機関、文部科学省、そして日本全国の生徒の方々や保護者の方々に広く読んでいただき、今抱えている教育現場における「いじめ問題」について深く考えて頂きたい。

そして本日より、一人として尊い子供の命が失われることのない世の中、「いじめ」に不安を抱えて学校に行く子供がいない学校にしていく為の報告書にして頂ければ幸いです。

必ずそうあって欲しいと強く熱望いたします。


この第3者調査委員会の報告書を受けて、学校・教育委員会は何を非と感じ、そこにはどのような責任が有り、そして何を反省しなければならないのかはっきりと明言して答えていただきたい。そしてそれを踏まえて今後どのような改善が必要なのか公言していただく事を強く要望いたします。

それが出来ない限り、子供との信頼関係を取り戻すどころか、教育者としては失格だと考えます。


そして出された報告書が今後のスタンダードなものとなり、未だに未解決な日本各地のいじめ問題に流用されることを切に望みます。

そして何度も申し上げますが、「いじめ」とは常に「死」に繋がる危険な行為であること、「犯罪」である事を、教師といじめを行っている子供達は認識してください。

物理的な暴行や傷害だけで無く、精神的な苦痛を与える無視や暴言、誹謗中傷についても死に至らしめることを学校現場で教師の方々は教えてください!

子供達と一緒になって、いじめの無い、世界中で一番安全で、安心のできる場所にしてください。


本日第3者調査委員会より報告書は頂きましたが、まだ裁判は続いております。

今後司法の場で、今回出された委員会の報告書を受けて、「いじめと自殺には因果関係が有るのだ」との見解をはっきりと判決にて明言していただく事を望みます。

いじめと自殺には必ず因果関係が有るのだとした見地に立たない限り、決して真の改善策は打ち出せないと考えているからです。


最後にマスコミの皆様にお願いです。今回この報告書の内容を広く日本全国の方にお伝えして頂きたい。何が問題で何が原因なのか。この大津のいじめ問題をただの取材のネタとして取り扱うのではなく、ジャーナリストとしてこの問題をどのように伝えていけばいじめ問題は無くなるのか。各社の考えをしっかりと持った上で、今回委員の先生がこの問題に向き合って頂いた同じ姿勢で取り扱って頂きたい。マスコミの方にはその役割が有ると信じています。政治だけでは解決出来ない。司法だけでも解決出来ない。マスコミの力が必要なんです。今後も一緒になってこの問題解決に当たって頂ければ幸いです。

子供たちを助けてあげてください!


本当にありがとうございました。

遺族の父より


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