原告の主張概略(第2回口頭弁論)

第1 被告少年らのいじめ

訴状で主張したいじめ以外にも、以下のようないじめがあった。

  1. 暴力(訴状記載以外のもの)
  2. 自殺練習の強要
  3. 恐喝・金品要求
  4. 持ち物損壊
  5. テスト貼り出し
  6. 部屋を荒らされる・財布を盗まれる
  7. その他

第2 被告大津市の答弁書に対する反論

1. 「いじめは苛烈かつ執拗ではなかった」との主張に対する反論

訴外広樹の受けていたいじめは、訴状請求原因第3及び上記第1において主張したようなものであって、苛烈かつ執拗との評価はこれでもまだ不十分なほど酷いものであった。

2.「自殺はいじめを苦にしたものではない」との主張に対する反論

既に主張したような苛烈かつ執拗ないじめは、訴外広樹をして自殺に追い込むに十分なものであるし、また、これ以外に訴外広樹の自殺の原因となり得る事情は存在しない。

大津市の越市長自身が、いじめを受けた者が死にたいとの心情に至ることを認めており、このことは訴外広樹についても当然あてはまる。

3.「被告大津市には過失責任はない」との主張に対する反論

皇子山中学校の教員は、実際にいじめの現場を目撃したり、訴外広樹や他の生徒からいじめについて相談を受けていたことから、訴外広樹に対するいじめを認識していたにもかかわらず、これを放置していたことは明らかである。

4. 被告大津市の求釈明

皇子山中学校の教員が訴外広樹に対するいじめを放置したとの原告らの主張に対して、被告大津市は、教員がいじめを現認した日時、場所等を特定するべきとの求釈明をしているが、学校内部の出来事について、原告らがこのような特定を行うことは極めて困難なことであることを知った上での、悪質な求釈明である。

被告大津市は、答弁書において、再発防止に向けた取り組みを行っていると主張しているのであるから、再発防止策を策定する前提として、本件の原因についての究明作業を行ったはずである。その作業結果は、校長、教頭、教務主任、生活指導主事、学年主任、担任等、生徒の聴き取り調査に関わった全教職員による該当期間中の「会議の記録簿」「指導記録簿」「同補助簿」等といった形で存在するはずであるし、本件いじめを教員がどこまで認識していてどこからを見逃していたのかを調査した結果として、全教職員からの報告書や顛末書等の報告文書が存在するはずである。

被告大津市においては、まずはこれらの文書を証拠として提出するべきである。

第3 さいごに

訴外広樹は様々ないじめを受けていたものであって、気の休まる暇もない地獄のような毎日であったであろう。その毎日を、訴外広樹は、ただひたすらに耐え忍んで過ごしていたものである。この様子を周囲の生徒は気づいていたものであって、後述するように、何人かの生徒は教師にもいじめの存在を報告していた。訴外広樹は、いつか教師によって救済されることに対する淡い期待を抱いたことであろう。しかし教師は、いじめられている現場で「大丈夫か?」と声をかけただけで立ち去ったのである。訴外広樹の落胆がいかばかりであったかは想像に難くない。

そして、そうした地獄から逃れる手段として若干13歳の少年が選択したのは、自ら14階の手摺を乗り越え身を投げるということであったが、そのとき13歳の少年は目の前の皇子山中学校や登校する生徒達をどのような気持ちで眺めたのであろうか、いかなる思いが去来したのであろうか。

13歳の少年をここまで追い詰めたいじめの苛烈さ執拗さに、ただただ言葉を失うのみである。

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