「いじめ防止対策推進法案」の成立について

この度「いじめ防止対策推進法」を成立させて頂き、ご尽力をいただきました国会議員の皆様、そしてこの法律が制定されるに至った道筋を作って頂きましたマスコミの方々に、息子に代わりましてお礼申し上げます。
この法律が制定されるまでに亡くなられた多くの子供達と、そのご遺族の皆様方に代わりまして一言申し上げさせて頂きます。

今回衆・参議員、与野党超党派での議員立法という形でこの法案の策定に当たって頂き、党派を超えたご議論の中で、初めてこの「いじめ」に対する法律が日本で生まれたことにつきましては、偏った意見や偏った考え方に基づくものでは無く、全国会議員、政府の責任の下に世に送り出されたものと捉えております。

衆・参議員の文教科学委員会質疑においても、質問に立たれた国会議員の先生方が申されていましたように、この法案が出来たからと言って直ぐに「いじめ問題」が解決される訳では無く、この法案を礎にして地方自治体の首長、教育委員会、学校長を始めとする現場を預かる教師の方々がこの法律の運用に際してよく考え、現場での更なる効力が発揮されるよう、条例制定を始めとし、教育委員会での学校に対する指導の中での落とし込みをすることによって効果が発揮する法律であると考えます。
そして何よりも附帯決議にある当該児童に対する教師の「児童などを徹底して守り通す責務を有する」との観点から、どうすれば教育現場から「いじめ」をなくすことが出来るのかを徹底して考え、現場での「いじめ」を見逃さない、「いじめ」から生徒を守るとの意識改革がとても重要だと考えます。そして文部科学省がそれらの状況をいち早く吸い上げ、教育現場にフィードバックしていくPDCAサイクルを組織機能に持たせることも併せて重要な事だと考えます。

先日本法成立に際して具体的要件を盛り込んでいただくよう衆議院議員の馳浩座長にお願い致しましたが、全てとは言えませんが考慮して頂いたものと感じております。
しかしながら、本法、並びに附帯決議を含めまして、抽象的な表現に終わっている部分が有ることも事実です。下村博文文部科学大臣のご答弁でもありましたように、地方自治体にてこの法律の解釈による混乱が起きぬよう、早急にその運用の定義をガイドラインにて定めて頂き、勝手で安易で都合の良い解釈でこの法律の求める効果を減退させぬよう、改めて下村博文文部科学大臣にはお願いしたいと思います。

現場ではいまだにいじめが発生し、そして若くして命を絶つ子供がいることは周知の事実です。そしていじめによってかけがえのない子供を亡くされ、今も学校や教育委員会の隠蔽や不適切な対応に二重の苦しみを与えられているご遺族がおられることも事実です。
それらの問題にもこの法律が適用されることを希望し、目の前の問題をまず解決に導くことが先決だと考えます。

今日この日を境に、「いじめ」に遭って著しくその尊厳を奪い取られたり、命を落とすような子供が一人もいなくなるまで徹底してこの法案の運用を見守り、運用上に問題が有るときは即座に見直しを行って頂く事を強く要望致します。

世界から見て、日本の学校は世界で一番子供達の尊厳を守り、一人一人の個性を尊重し、親が安心して子供を学校に送り出せる学校だと言われるまで、そんな世界に誇れる学校をこの法律の下作られるものと理解し、「日本の学校はあの時から変わった。」と実感できるまで、私は息子や天国にいる多くの子供達とこの法律の行方を見守り続けていきたいと思います。

大津市の遺族より